百二十㌢四方の紙に太い筆で円を書く。
まず、すずりに向かう。
姿勢を調え、落ち着いて静かに墨をする。
穏やかな活力呼吸法をしながら、墨をする。
強い活力呼吸法をしながら太い筆に、たっぷりと墨を含ませる。
紙と向き合って、姿勢と呼吸を調える。
下腹に力を入れてゆっくりと息を吐きながら書く。
一円で一呼吸だ。
一円書いたら、静かに筆に墨を含ませる。
紙を取り替えてまた一円。
一呼吸に一円。
何枚も何枚も書きつづける。
上手にかけたとか、ぐにゃぐにゃの円だとか、そういう判断が消えたとき、なんでもいいその時、これだという文字を書いてみる。
すると、急に頭の中がざわざわとする。
「ああ、今まで沈黙があったのだな」と気がつく。
その一呼吸になりきったとき、沈黙が支配する。そのことを呼吸法と言う。
呼吸法の難しさは、下腹を絞るなどのやり方にあるのではない。吐いているときに吸うことを考えてしまうところに難しさがある。
このやり方でいいのかと考えてしまうところにある。
ただ吐くことだけになりきれない難しさにある。
なりきるためには、心をしっかりした場所に置くことだ。一番いいのが、心を下腹の恥骨に近いところに置くことだ。
丹田とか、チャクラとか色々な言い方があるが、そういうイメージ的意味づけにこだわるのはバツだ。
自分の心が落ち着く一点は、そこしかない。
そこが沈黙の一点だ。
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