私たちは、ひとりひとりそれぞれ一つの道を選ぶ性向を持って生まれてくる。
心理学で言うように「こういう幼児体験によってこういう人生を歩んでいる」というのではない。
また、生まれたときから目的が決まっているのでも、何かのために生まれたのでもない。
遺伝子によってそうなるのか。
しかし遺伝子は、私が私として生きる意味をいだいて、一つの傾向を持たせるようなものではないだろう。
ものごとや人、社会と向き合ったとき、一瞬一瞬に出くわす出来事に対して、自分のとる態度には、一貫した傾向がある。
そういう傾向を持って私たちは生まれてくる。
ほかに選択があっても、そうせざるを得ないような止むに止まれぬ想いに駆られて行動する。
そういう傾向だ。
このことが、人生を成功させるか失敗別だ。
成功や失敗は、その傾向をどのように表現するか、どのような目的として表現するか、その目的に向かって意志を持ち続けられるか、と関係するだろう。
何か問題に遭遇したとき、自分の傾向を見据えるとき、
今、この瞬間の自分にとって大切なことが見えてくる。
アクシデントが起きたとき、
それはこの傾向を目的化し、意志を持って追求していくチャンスだ。
それをチャンスとするかどうかは、自分の選択にかかっていて、傾向ではない。
その選択には、自由が与えられている。